重奏の家

重奏の家

設計:橋爪賢一

23.12.25

音楽のある暮らし


引き渡しに合わせてグランドピアノが搬入されました。
リビングに主役が入ったことで重心が定まったかのような安定感を感じます。
オーナーが演奏を始めると場の空気が一気に変わり、心地良い音色に包まれました。

間接照明によってシリカライムの質感が強調されています。
まるでホテルのラウンジの様な空間です。

橋爪@PDO

23.12.16

ステンドグラスを楽しむ


オーナーからステンドグラスを取り入れたいと要望をいただきました。
おすすめの場所はエントランスから見える場所、
花を飾るようにカラフルな彩りがアクセントになります。

作家さんの提案はインテリアに調和したシンプルなデザインでした。
オーナーの好きな建築家(私も)、フランク・ロイド・ライトのデザインをモチーフにしています。

ドアを開ける度に鑑賞する楽しみがあります。
また、両開きにしたことで特別感も増しました。

橋爪@PDO

23.12.08

演奏を楽しむリビング



室内の足場が外れてリビング本来の広がりを感じられるようになりました。
ここでの主役は演者とグランドピアノです。
薪ストーブは壁面に寄せて家具の様に馴染ませます。

リビングのソファ、幅の広いステップベンチ、
そして2階席と様々な視点から演奏を楽しむスタイルです。

橋爪@PDO

23.11.24

キッチン収納


キッチンの背面は壁一面の造作収納です。
引き出し、吊戸棚といった食器収納はもちろん、冷蔵庫や電子レンジ、ワインセラーといった家電類もここに収納します。
窓まわりだけがくり抜かれ、全体にすっきりとした仕上がりになりました。


設置工程は実に緻密です。
運搬を考えて細かく分割された家具をミリ単位で調整しながら組み立てます。
シンプルに見せるための工夫があり、職人の技術力によって実現しています。

橋爪@PDO

23.11.13

質感を高める ―内装仕上げ―



内装仕上げはシリカライムとFarrow&Ballペイントの2種類を使い分けます。
いずれも色や質感、パターンなど選びながら好みの仕上がりを決めていきます。
シリカライムには調湿機能もあるので夏に湿気の多い軽井沢に適しています。

空間に新たな質感が加わりました。
木部の茶色とも馴染んで落ち着いた仕上がりです。

橋爪@PDO

23.10.23

立体的な飾り棚


エントランスホールに面する階段は
自然光を取り込みつつ雛壇状の飾り棚を兼ねています。

踊り場から上をスケルトン階段にすることで、
暗くなりがちな階段下も明るく開放的になります。
花器や小物、アートなど、何を置いても楽しめそうです。

変化に富んだ階段室になりました。

橋爪@PDO

23.10.18

木部塗装 ―イメージの色に―



現場は木工事終盤を迎えました。
工程は仕上げ段階へと移っています。

室内の木部は茶色く塗装します。
数種類色見本を作成した中からやや薄めの色をお選びいただきました。
部屋も暗くならず優しい色味の空間となっています。

木部以外の内装仕上げはシリカライムとFaroow&Ballペイントが主になります。
色や光沢、パターンもオーナーのこだわりが詰まっています。
こちらも今から楽しみです。

橋爪@PDO

23.10.11

いくつもの表情 ―足場解体―


建物を覆っていたメッシュシートが外されました。
外壁は塗り壁のジョリパットを残すのみとなっています。



エントランスがメインとサブの2つあり、
見る角度によって建物の表情も大きく異なります。

木部はチークの赤味を活かしたオリジナル色とし、
雨のかかりやすい場所には自然石やガルバリウム鋼板といったメンテナンスのかからない素材を使っています。

適材適所に素材を使い分けながら、
自然石の力強さが良いアクセントになっています。

橋爪@PDO

23.09.23

ステップベンチ


リビングはソファを置くスペースとピアノを置いて演奏するスペースとに分かれます。
演奏スペースは床を60cm下げて3段のステップで繋ぎます。(写真は製作中)

横に長くゆったりとしたステップはおおらかな空間演出にもなります。
演奏会の時にはベンチとしても使え、客席になるイメージです。

橋爪@PDO

23.09.04

工事再開



軽井沢町の工事自粛期間が明けました。
早速、大工をはじめ電気業者、設備業者、塗装業者が入り、
再び賑やかな現場に戻っています。

夏の間、オーナーとは造作家具の打合せを行いました。
照明器具やドアハンドルのショールームにも足を運んで下さり、
色味やデザインなど全体の雰囲気を見ながらセレクトいただきました。

橋爪@PDO

23.07.31

冷涼な空間



軽井沢は夏の工事自粛期間に入っています。
しばらく現場仕事はお休みになります。

軽井沢といっても日中は30℃程度まで気温が上昇します。
窓を閉め切った状態で数日経っているため、
室内も多少暑くなっているだろうと思い中に入ると、明らかに涼しく感じます。
窓を開けるとかえって熱気が入ってしまう程です。

冬暖かい家は夏も涼しいと言われますが、
サッシと断熱材の効果を改めて実感した瞬間です。

橋爪@PDO

23.06.30

断熱工事


電気の配線を終えたタイミングで断熱材の吹き付け工事を行います。
この時、室内は養生で覆われるため他の作業はできません。
床下、壁、天井と隙間なく硬質ウレタンフォームが吹き付けられました。

屋根の太陽光パネルも一定の断熱効果が期待できます。
今回の断熱材と合わせて快適な室内環境を作っていきます。

橋爪@PDO

23.06.21

屋根一体型太陽光パネル


屋根の防水工事が終わり、太陽光パネル工事が始まりました。
電気料金の負担軽減や停電に備えて蓄電池も導入します。

一般的な太陽光パネルは屋根材の上に乗せる形になりますが、
今回採用したパネルは屋根と一体型です。
遠目から見ればガルバリウム鋼板と見分けがつきません。
発電出力も12.9kW取ることができました。
冬以外の週末利用では、発電と蓄電池のみで消費電力を賄うことができる計算です。

橋爪@PDO

23.06.12

上棟打合せ ―現場で決める―


家づくりで決めることは数多くあります。
仕上げ材料、設備、電気、色味など、どれもこだわりたいところですが、
頭の中だけで考えるのは至難の業です。

特に難しいのが空間の印象を左右する色味です。
候補をあらかじめセレクトいただき現場で検討しました。
他との組み合わせも見ながら空間全体で考えると自然と決まります。

床材は用途に合わせて数種類を張り分け、
壁は調湿効果の期待できる左官材とFarrow&Ballの繊細なペイント仕上げの組み合わせになりました。
アクセントのタイルが際立つ内部空間になりそうです!

橋爪@PDO

23.06.06

祝・上棟!





無事上棟を終え屋根の防水工事から進めています。

90°と135°という2つの曲がりを持つプランに切妻屋根が掛かっています。
今まで打合せしてきた空間が実際の形となって姿を現しました!
ダイナミックに開かれたリビングのコーナー窓から見える景色は緑一色です。

このタイミングでオーナーにお越しいただきます。
出来たばかりの空間に身を置き、現地の光も見ながら仕上げ材料を決めていきます。

橋爪@PDO

23.05.25

建て方始まる




前日までの雨が嘘の様にこの日は朝から快晴です。
快適な気候の中、雄大な浅間山に見守られながら建て方スタートです。

規模が大きいためクレーン作業は3日間を予定しています。
初日は2階の床まで組み上がりました。

大工たちの息も合い、現場に活気が溢れています!

橋爪@PDO

23.05.02

コンクリート打設


ここまで雨などで遅れることなく順調に進んでいます。

この日は2回目のコンクリート打設。
長年軽井沢で仕事をしている基礎屋さんなので寒冷地の仕事にも慣れており、
いつものチームワークで着々と作業を進めています。

今月末には上棟を迎えられそうです!

橋爪@PDO

23.04.25

外観模型 ―窓まわりの演出―


リビングの約半分は楽器演奏のためのスペースです。
開放的な吹き抜け空間の一角にコーナー窓を設け、外に広がる森へと視線が導かれます。

外観上もこの窓が顔となり、自然石を張るなどして表情を作っていきます。
ウッドデッキはあえて設けず、中庭を広く設ける計画です。

アプローチや庭づくりにも力が入ります。

橋爪@PDO

23.04.13

配筋検査 



住宅保証機構の配筋検査が行われました。指摘事項なしです。
住宅瑕疵担保履行法に基づく1回目の検査で、万が一建物に瑕疵があり、修繕などができない状況になった場合に保険制度で住宅取得者の利益を保護するための法律です。



明日、ベースコンクリートを打設します。

※ 瑕疵(かし)とは、「欠陥」を意味し、この法律で言う瑕疵は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の欠陥を指しています。

細田@PDO

23.04.05

基礎着工 ―根伐床確認―


砕石パイルが予定通り施工されました。
建物の形でドット絵の様に杭頭が見えています。


基礎屋の几帳面な作業はまるで遺跡の採掘調査の様です。
地面を最も深く掘る部分を根伐床(ねぎりどこ)と言い、
ここが図面通り取れているかがチェックポイントです。

写真に残して次の工程に進みます。

橋爪@PDO

23.03.23

工事着工 ―砕石パイル工法―


地盤調査の結果、部分的に自沈層が見られたため地盤改良工事を行います。
改良方法は様々ありますが、PDOでは砕石パイル工法を採用しています。

小さく砕いた天然石を3m程度の深さまで柱状に詰め込みます。
コンクリートや鋼管杭に比べて土壌に与える影響が少なく、
将来的に撤去も不要なことから環境に優しい工法と言われています。

杭の本数は全部で69本!
1本1本確実に進めていきます。

橋爪@PDO

23.03.20

地鎮祭 ―縁起木に囲まれて―


軽井沢で眺望が良くしかも平坦地といった土地は珍しく、
落葉した今の季節は特にその特徴が感じられます。

見上げると木の枝にマリモの様な塊をたくさん見つけることが出来ました。
ヤドリギです。
ヨーロッパでは縁起木とされ、クリスマスの飾りにも使われています。
大安吉日の良き日に加え、ヤドリギの祝福も受けながらの地鎮祭となりました。

いよいよ工事着工です!

橋爪@PDO

22.11.23

インテリアパース ―こだわりの共有―


間取りの方向性が固まったところでインテリアパースを起こします。
LDKはへの字に曲がり、ステップを下りた先に演奏スペースが広がるという平面構成です。
実際に窓から見える景色をはめ込んだり、人影を落とし込むことで感覚的にイメージしやすくなります。

ステップは客席に見立てて幅と奥行を広く取りました。
ソファからは浅間山が望め、薪ストーブも楽しめるというまさに特等席の位置付けです。
2階席を設けてはどうかというオーナーのアイディアも遊び心があります。

照明計画ではキャノピーを設けて間接照明での演出を試みましたが、
掃除が大変というデメリットから別の方向性で進めることになりました。

話題は設備やマテリアルに至るまで、パースから多くのことが確認できます。
次回はご自宅に伺い、価値観をさらに共有していきます。

橋爪@PDO

22.10.13

プレゼンテーション


オーナーは現在東京にお住まいですが、
買い物で中軽井沢のツルヤに行くと偶然東京の知り合いに会った、
ということは珍しくないそうです。
それだけ軽井沢に縁のあるオーナーです。
新しい拠点で賑やかに過ごす姿が想像できます。

「リビングの一部にグランドピアノを置いて楽器演奏を楽しみたい」

そんな要望からリビングを通常よりも広く計画しました。
L字形のステップは空間に変化を生むだけでなく、
ベンチのように座れば奏者を囲んだ観客席にもなります。
コーナー窓の先に樹木が広がり、森の中の演奏会といったイメージです。

簡易ながらも音響に関する専門家にも加わってもらい、
より良い空間を考えていきます。

橋爪@PDO

22.09.01

重奏の家


東京を拠点に週末利用、長期滞在、ワーケーションを想定した住まいの計画です。
土地探しに2年間程かけ、最終的に浅間山を望める高台を選ばれました。
眺望だけでなく深い森にも面しており、将来においてほぼ変わることのない景色を手に入れられました。

居住スペースの一部に楽器演奏が出来るスペースを希望されています。
森を背景にしたステージを作り、親しい友人家族を招いて演奏会を楽しむイメージです。

音楽と共にある暮らしをオーナーと考えていきます。

橋爪@PDO