17.08.11
絵本の家―完成!―
今年は梅雨明け宣言があった後すっきりとした夏空のない日が続きました。
撮影はそんな合間をぬっての実施となりました。
八ヶ岳南麓の里地はとてものどかな風景です。
その昔牛舎だった小屋や鏝絵のある土蔵、広大な田畑に鎮守の森。
その中にPDOデザインの家。
絵本の家です。
中村@PDO 写真;松村誠
設計:中村大補
17.08.11
今年は梅雨明け宣言があった後すっきりとした夏空のない日が続きました。
撮影はそんな合間をぬっての実施となりました。
八ヶ岳南麓の里地はとてものどかな風景です。
その昔牛舎だった小屋や鏝絵のある土蔵、広大な田畑に鎮守の森。
その中にPDOデザインの家。
絵本の家です。
中村@PDO 写真;松村誠
17.08.02
ヒグラシがBGMを奏でます。
どちらかと言えば高原エリアに仕事が多い私たちですが、「絵本の家」は里地です。
長坂の街中で牧師をしていた写真家の松村さんはこのエリアのこともよく知っています。
「鎮守の森をバックに入れて撮りましょうね」
環境と家の関係性を画像作品にすることにこだわってくれます。
こうして丸一日家の良い顔を撮り続けていると
オーナー夫妻がなぜPDOにご依頼になったか分かる気がしてきます。
自然に暮らしたいご主人、絵画美術に造詣の深い奥さま、
「絵本の家」と名付けたのは私ですが、うまく言い当てていたな、と改めて思いました。
中村@PDO
17.07.16
建築のご相談から1年半、雪の中の地鎮祭から半年をへて本日はお引き渡しです。
当初は採用を迷われていた薪ストーブ・・・
夏の火入れ式も感慨深いものとなりました。
子供たちの入学に合わせて来春にはUターン。
八ヶ岳での新しい暮らしがスタートします。
この夏休みには一部壁紙のDIYペイント、そして北欧デザインの家具も少しずつ買い揃えていく予定とのこと。
絵本の家の仕上げは住まい手家族の手にバトンタッチです。
細田@PDO
17.07.01
「絵本の家」では玄関ドアに向かって直接的にアプローチするのではなく、
家の外壁に沿ってする間接的デザインです。
遠くから見て「さあ、ここからどうぞ」という感じで、
アプローチデッキがオーバーハングしています。
土留めや踏み台に用いる石は昔からここで使われていた石。
醸し出す雰囲気がなんとも味わい深いですね。
中村@PDO
17.06.29
和風庭園には欠かせないツゲの木。
丸く刈り込んで楽しみます。
「絵本の家」は里地エリアの旧家の畑に建てています。
建築に支障なしということで樹齢100年以上はあると思われる、
ツゲの樹は「とりあえず」残存させました。
さて、完成を間近にしてこの樹について皆それぞれの立場で残すか、伐るかで迷っています。
新しい家の玄関ドアを開けると真正面にあります。
樹齢のせいか、はたまたその樹形のせいか、大きな人が腰に手をあてて立っているようです。
私はこの樹が好きです。
あまりに偉そうなので少し樹形を整えるとともに、足元は優しい野草を植えるなどして、
バランスを整えてあげる必要はあるでしょう。
この樹は「絵本の家」に相応しいと思います。
中村@PDO
17.06.24
今年は梅雨入り宣言後もほとんど雨が降らない空梅雨です。
現場にいると節水をお願いする町内アナウンスが聞こえてきました。
水不足は心配ですが、工事をする立場としては助かります…
心待ちにしていた足場ばれ。
土の色に合わせた塗り壁、古色塗りの板、灰黒の鋼板、見事なハーモニーです。
赤田@PDO
17.06.22
キッチンの床と壁はタイル仕上げです。
床タイルはアンティークな雰囲気を感じるプロヴァンス風。
壁タイルは釉薬のムラ感が美しいサブウェイタイル。
ここにオールステンレスのキッチンとジャイアントテーブルが据えられるとまた雰囲気が変わることでしょう。
赤田@PDO
17.06.14
大工からのバトンタッチ後まずは塗装工事です。
木部は一度塗りますとざらざらになります。目が立つ、と言います。
これをサンドペーパーで丁寧に磨き、さらに塗装します。
また、目が立ちます。また研磨して塗ります。
根気勝負の工程です。
中村@PDO
17.06.08
梅雨入り前、予定通りに木完です。
着々と工事が進み大工さんから塗装屋さんにバトンタッチです。
赤田@PDO
17.05.19
遮るものがなくちょっと無防備な感じの佇まい。建物の完成に合わせてまずは中高木の植栽を行います。
建築と同じく骨格をまず考えます。骨格はその庭、住まい手の個性であり、環境との応答の中で見られる姿がかたちづくられていきます。
機能的植栽からのゾーニング、建物周りの微気候のコントロール、審美的な利用・・・
要件を整理しながら造園計画を練っていきます。
細田@PDO
17.05.08
インテリアコーディネーターの資格を持つredくん。
しっかりと現場での打ち合わせを仕切ってくれています。
中村の設計意図を汲み自分なりの意見もしっかりと伝える。
プロとしての自覚を持って必要に応じて住まい手に選択肢と判断基準を示してさしあげること。それがPDOの仕事でもあります。
細田@PDO
17.04.28
床板張りなど内部の木工事に区切りを付け、
外部の造作をまとめていきます。
サッシの付け木枠に板張り部の目押し縁とめ。
どんどん建物の表情が豊かになってきました。
GL鋼板と塗り壁でさらに表情がつくのが待ち遠しいです。
家がこのエリア固有の色に馴染んでいくことでしょう。
赤田@PDO
17.03.27
下地組み、サッシ取付け、配線工事が完了し、断熱材の吹付け工事です。
水で発泡する硬質ウレタンは隙間無く、みっちりと吹付けられるためしっかりと気密と断熱を得られます。
家全体がすっぽりと包まれました。
赤田@PDO
17.03.17
木造構造材が耐震設計通りの金物で緊結されているか、床や壁、屋根の合板が指定された釘と間隔で施工されているか、防水シートが規定の長さの立ち上げがされているかどうか、
等々くまなくチェックしていきます。
社内検査、保証機構の検査、共に指摘事項なしで終えています。
赤田@PDO
17.03.10
来春の小学校入学を機にUターンするために生まれ育った故郷での家づくりがはじまっています。
現場を仕切る棟梁、隣のご実家に暮らすご両親、PDOメンバーが参列して
上棟式が執り行われました。
弊串にご家族の名前を記した後は、ちびっこたちも一緒に建物の四方祓い。
お神酒、洗米、塩、きりぬさでお清めして工事の安全と建物の完成を祈願しました。
来春には里山の風景を見ながら小学校へと通います。
絵本の家と一緒のピカピカの新一年の誕生です。
細田@PDO
17.02.25
前日の雨模様とは打って変わった晴天の日に「絵本の家」上棟いたしました!
水下大工率いる大工6人衆の息の合ったテンポでどんどんどんどん組み上げられていき、
建て方初日に野地板張りまで進みました。
赤田@PDO
17.02.17
雪景色の中、家族揃って行われた床鎮めの儀から早一ヶ月。
見事に基礎工事完了です。
硬い地盤で支えるように1.5mも深くした耐圧版(べた)基礎構造です。
それも今では埋戻しされた土によってすっぽりと覆われました。
基礎工事から大工にバトンタッチです!
赤田@PDO
17.02.04
型枠が組み上がり、いよいよ立ち上がり部の打設です。
ミキサー車によって運ばれてきたコンクリートを
ポンプ車にて圧送し、立ち上がり部へ打ち込んでいきます。
打ち込みを行いながら振動棒を用いて、余分な空気を除去し締め固めていきます。
基礎工事いよいよ大詰めです!
赤田@PDO
17.01.26
里山の実家の南につくられる「絵本の家」。
仕事ぶりを見下ろすように蔵の鏝絵の鳥の目が光ります。
大昔の左官職人が漆喰を用い鏝だけで仕上げるレリーフです。
風雨にさらされ彩色も褪せていますが赤松にとまりカラスを威嚇する鷹に見えます。
配筋の検査では妥協は許されません。
鉄筋径と間隔、折り曲げ部の長さ(定着)、重ね長さ・・・多くのチェック事項があります。
鉄筋が全く汚れていない・・・・。
現場採寸し工場加工機で折り曲げ、手際よく現場組み立てしたことが伺えます。
良い仕事です。
中村@PDO
17.01.18
大寒波の影響もなく順調に工事が進んでおります。
基礎底盤下地の防湿シートを確認するために現場を訪れると、
先に確認している方が・・・・・!
ご実家で飼われているクロネコちゃんです。
「現場に入るときはヘルメット着用だよ!」
と、注意をしておきました。
赤田@PDO
17.01.13
いよいよ今朝から基礎工事着手です。
3時くらいに着いてみるとすでに整地作業が完了しています。
まずは設計グランドラインと壁中心線の確認です。
地盤調査通り表土をどけるとすぐに「きつね土」が出てきました。
八ヶ岳南麓の里地エリアではこの地質が多いです。
黄色くさらさらとした水はけの良い土ですが家を支えるには弱いのです。
かと言って地盤改良工事をすれば工期、コストともに増大します。
600mmも掘れば寒冷地基礎としては十分ですが、
ここでは1300mm掘る必要があります。
この深さを耐圧版基礎とするべた基礎構造とすることに決めています。
また近隣からは「ビルでも建つだかい?」と言われそうです。
中村@PDO
17.01.10
前日からの雪もあがり青空がのぞいています。
ふたりのちびっことご両親が参列して地鎮祭が執り行われました。
ご夫妻の故郷の八ヶ岳南麓。
新たな暮らしの場となる家の工事が始まります。
工事中の安全を祈願し故郷での暮らしを心に描きごあいさつです。
細田@PDO
17.01.07
9日の着工式に先立ち、今日は仮設トイレの据え付けをしました。
集落の中の里地での建築です。
向こう三軒両隣、工事にあたっては八方に気配りが必要でしょう。
ご両親の暮らす家は「絵本の家」の北隣地です。
生活視線から外しお隣さんにも配慮して位置決めしました。
これから半年お世話になります!
中村@PDO
16.12.03
季節外れの大雪は思った通りすぐになくなりました。
「絵本の家」は古い蔵や農器具小屋などが周囲にある里地エリアでの計画です。
今は自家消費用の家庭菜園となっているところが建築地です。
既に今年の収穫は終えているようです。
今日は建物位置を検討する地縄張り(実際には紐張りですが)を行いました。
ご両親の住まわれている北側の家への陽当たりや窓の位置を確認しながら、
最適な位置を決めました。
高齢のモクレンは春を告げる里らしい樹。
斑入りアオキは常緑で魔除け効果あり。
移植が良いでしょう。
中村@PDO
16.11.21
農地転用の目処も立ち、年明けの着工に向けて打ち合わせを進めています。
ご家族が集うジャイアントテーブル、ダイニングとリビングの間に収まるサイドボードなど、3点ほどの製作をお願いします。
材の種類・木目・色目などを確認しながら寸法やデザインを検討します。
天板・本体はクリ材を使い、把手などは使わずに手掛け加工を施した、
スッキリした扉デザインをご夫妻は希望されています。
細田@PDO
16.10.01
絵本の家計画地は今現在、ご両親の畑として利用されています。
農作物に気をつけながら、地盤調査を行いました。
結果は安定した良好地盤ですが岩盤というほどのこともありません。
耐圧盤基礎として設計を進めましょう。
赤田@PDO
16.09.22
今は都会で暮らす若いご家族の、いわゆるUターンの住まいです。
薪ストーブ導入には迷っていました。
もちろん高額なこともありますが、「薪割なんかやったこともないし・・・。」
果たして有効に活用、楽しめるものかな?といったところでしょう。
「薪ストーブはやります!」意思が明確になりました。
薪割体験イベントにも申し込みされたとのことです。
「きっかけにして自分が強く変われればいいな」などとつぶやいていらっしゃいました。
それほど負担に考えなくても楽しいスポーツくらいにお考えいただければよいと思います。
そんなわけで外観模型に煙突を付けましたよ。
中村@PDO
16.09.03
おおよそ要望も出そろい平面図への反映もおわりました。
ここで、インテリアパースの作成です。
作業をしながら空間構成を整えていきます。
まるで彫塑の模型を指でつくりあげていくのと似ています。
決まったことを事務的に入力するCAD図作成とは異なります。
天井高さや形状の変化、素材構成、枠納まり、造り付け家具のデザインなど、
多くの情報整理の集積がインテリアパース図です。
節のある板は好きではない、とのことで天井のすべてをクロス仕上げの絵としていました。
どうも物足りませんので板張り天井と組み合わせてみました。
高い天井ではそれほど節は気にならないと思いますよ。
中村@PDO
16.08.23
若いご家族の家です。
これからどんどん子供も大きくなるでしょうし、
地元での交友関係も拡がっていくことでしょう。
だからと言って大きな家にしてしまうのはお勧めしません。
メンテナンスのこと、暖房効率のことなど・・・、
設計の仕方次第で大きく、広く感じさせる方法はいくつもあります。
まずは、いただいた条件の中でどれだけ無駄なく、
コンパクトに収まった案をつくるかが大切だと思います。
300冊はあると言われた絵本コレクション、段違い平行棒のクローク、
造り付けのリビングベンチ・・・、盛り込んであります。
気に入っていただけるでしょうか。
中村@PDO
16.08.17
「故郷は遠きにありて思ふもの」とは室生犀星が詩集の冒頭でうたったもの。 これは懐かしく心の拠り所としての故郷をうたったものではなく、 故郷と都会を往復して悪戦苦闘しているときの複雑な心境をあらわしていると言われていますね。
ご夫妻とも八ヶ岳南麓の里地を故郷に持ちます。 小さな二人の子供とともに、活躍している都会から故郷に帰って家をつくろうと決心しました。
ご相談をいただいたのは春まだ浅い2月でした。 故郷の田園風景は温かくもありますが、都会にある利便や合理性は少ないでしょう。 それでも風光明媚で生命感旺盛な八ヶ岳南麓に、さてどんな家をつくりましょうか。
中村@PDO