2020.03.27
昨日から、事務所周りの笹の切り戻しを始めました。
今きれいに切り戻すことで、これから新しい芽がきれいに生え揃います。
草花の切り戻し(剪定)作業は、晩秋と春に行うのがベストです。
秋に花後の姿が美しいものは冬の間は切らず、春まで残し、春先に切る。
秋に見苦しくなっているものは、秋に切り
春に枯葉が残っているようであればもう一度切る。
秋にできなかった場合は、春先までに切れば間に合います。
「森をお手本にした自然な庭は、手入れがいらないのでは?」と思われるかもしれませんが
人間の都合上、きれいな庭でありたい。
だから手入れは必要なのです。
またほったらかしでは性質の強い外来種が増え、勝ってしまうこともあります。
作業している横では、開花を始めたネコヤナギの花に
ニホンミツバチがにぎやかに飛び回っていました。
皆さんのお庭は、もう春の切り戻しは終わっていますか?
追記:
切り戻しビフォア・アフター(まだまだ終わらず…)
2020.03.16
日本の森林面積の30%を占めるといわれる笹は
愛されたり嫌われたり、生える場所や人により評価はさまざま。
そんな笹の根元を掘ってみると、落ち葉がたくさん積み重なって、ふかふか。
落ち葉を木の根元にたくさんとどめてくれています。
笹が繁茂したところを刈り込んだら、春に自生のスズランやギボウシが
たくさん芽をだしたことがあり、喜んだのもつかの間
あっという間に鹿に食べられてしまったことがありました。
笹は、100年以上のサイクルで一斉に開花し、その後一斉に枯死。
枯死した笹の跡地には、さまざまな植物が競うように生えてくるそうです。
100年以上かけて豊かな土の環境を作り、次の世代へ繋ぐ。
それが笹の森での役割だとしたら、なんとドラマチック!
目の前のことで一喜一憂している自分が小さく小さく思えてきます。
2020.03.03
暖かい日が続いたと思っていましたら、先日から急に冷え込んでいます。
この冬の間に、事務所の周りには笹の中に獣道ができました。
これはぐるっと回って、事務所の南側へ続いています。
つまり、事務所に人が不在時、あの大きな窓の外からこの距離感で鹿や何かに覗かれているわけです。
想像するとなんだか可笑しいですね。
庭を造るとき、山の中では鹿は重要な問題です。
たとえば事務所では、春に新芽がいい感じに伸びてきたころ
ちょうど美味しそうな若芽をモシャモシャと食べられてしまいますし
それでもめげず、さらに芽を伸ばしてきたところで、もいちどモシャモシャ。
そんなことが日常です。
また昨年は草花を新しく植えたお客様宅でも、植えた翌日にはすっかり植物の葉や花を
すべて味見され、慌てて鹿よけフェンスを設置しました。
この頃の鹿は何でもよく食べ、「これは食べない」と言われているものまで食べることがあるようです。
鹿は根まで食べるわけではないのですが、植えたばかりの苗はまだ根が土に張っておらず
芽を食べる時に苗が根からまるごと抜けてしまい、すぐに植え戻さなければ枯れてしまうため
新しく苗を植える時は特に注意が必要です。
庭を造る時に、先に鹿よけのフェンスをしっかりと設置するのもひとつ。
また植物が根を張るまでの1、2年だけ簡易的なフェンスをし、その後は撤去。
食べられつつも、枯れなければいいかぁもひとつ。
山のノバラを利用して、チクチクのフェンスを仕掛けるもひとつ。
鹿との付き合い方は人それぞれで、答えはありません。
2020.02.17
今年は暖かい日の多い冬です。
いつもなら2月末までに蒔く種ですが
あれ、、マンサクがもう咲いている。
焦り、細田さんと中村さんを誘って、山野草の種を蒔きました。
冬の寒さにあて、凍ったり解けたりを繰り返し
ゆっくりと発芽を促します。
ほらね、いつも忙しいお二人にも、自然と笑顔がこぼれます。
2020.02.05
年末に、ご相談いただいている土地を3件、軽井沢へ見に行きました。
なんと3件のうち、2件で豊かな植生を発見。
もう冬だというのに、オオバギボウシやコバギボウシ、キバナアキギリ
ユキザサ、サラシナショウマ、ギンラン、ツルニンジンなどなど。
山野草好きならヨダレがでそうなくらいの草花の群落が、冬の姿を見せてくれました。
春になればさらにより多くの種類が見つかるはずです。
こちらはオオバギボウシの種姿。
ご相談いただく方の土地では、こうして手をつける前から
豊かな植生が見られることが度々あります。
その草花は、買おうと思ってもなかなか手に入らず
また同じ名前の苗を買って植えたとしても、同じようには育ちません。
なぜなら、その土地に暮らす草花は、その土地に合った遺伝子を持っているのです。
これは樹木も同じです。
この草花たちを見てしまったら、これは守り増やしたい!と願わずにはいられません。
あわててツルヤへ封筒を買いに行き、種を採取し
1件のお客様にはこの種たちを見ていただきました。
これは森からのギフトであり、出会いです。
自然に沿った庭づくりは、在来の多くの命を支えます。
多様であることは豊かで美しい。
それを言葉なくとも暮らしの中で伝えてくれる庭は、私たちを森へとつなげ
子供にも大人にも豊かな心を与えてくれます。