2020.01.25
初めての打ち合わせから最初に見ていただいたプランは、小川を造るものでした。
常に滾々と水が流れる小川ではなく、雨が降ると建物周りにおちた雨水が
暗渠排水路を流れてあつまり、数日間あらわれる小さな小川です。
石をずらっと並べるのではなく、石であったり草の法面であったり。
草の法面にはその土地にもともと生えている植物たちを株分けしたり
いくつかは新たにこの地に自生する野草を植え、多様な生き物が暮らす豊かな庭計画です。
ただやはり、整地や石の仕事にはお金がかかります。
いつ流れるか分からない雨水のために、お金はかけられない。
なるほど、確かに。
小川の造作についてはしばらくこのお家で過ごしてみて、雨の日の様子をみながら
追々考えてゆくことになりました。
初めは予算が決まらないところからのスタートでしたが、話をすすめていく中で
今、庭にかけたい予算が決まります。
お金をかけたいところ、かけなくてもいいところ。
植えたいもの、食べたいもの、庭とのかかわり方、過ごし方。
おおよその全体像が見えてきました。
春にむけて、もう少し考えます。
考えて、お話して、考えて。は、なんとも楽しい作業です。
まるざ屋根の家
2020.01.07
今日は午後から雪が降っています。
人というものは弱いものです。鳥や鹿のように体一つでは自然の中で生きてはいけない。住まいや衣服がなければ、こんな雪の中では凍えて死んでしまう。弱いからこそ弱いものへの思いやりがもてるのは、人ならではと思います。
また人は自分の周りだけではない、広い世界を知っています。ただまっすぐに今を生きる動植物たちと、共にバランスをとる知恵と手を持っています。
人がこの地球に生まれた訳はなんでしょう。不安ばかりが積もっていく日々の中、土を触り種を蒔き苗を植え、本来そこにあった植物を育てることで心が落ち着きを取り戻すのは、そこに答えがあるからではないでしょうか。
さぁ2020年、森づくりというランドスケープ事業が始まります。