2024.09.03
花の咲き終わったウバユリです。実の中には種子が入っており、秋以降に果実が裂けて、中の種が風で飛んでいきます。ひとつの実に500個前後の種があると言われています。
種から発芽(有性生殖)する場合と茎がうろこ状に変化した鱗茎から新しい鱗茎が生えて増える場合があります。いずれにしてもコントロールできない、自然任せのところがあります。植物を通して世界を見ていると自然に対して謙虚になれるものです。
2024.08.04
うずまきスタジオへのアプローチ脇にあるウバユリが咲き始めています。山地の森林に自生するユリ科の多年草で、夏の時期に開花しお客様を迎えます。
デザインにはシークエンスという概念があります。「連続」「順序」という意味を持ちます。移動に伴う景色の変化をデザインする時に取り入れる手法の一つと言えるでしょうか。 ランドスケープは自然と時間の力を借りて成り立つことも多いのです。
2024.06.15
建築行為は、自然に介入し、少なからず環境を破壊します。
問われているのは、美意識や自然との向き合い方。
PDOの根っこには、自然に対して謙虚になるという思いがあります。
環境に介入し、復元し、再生へと繋げていくためには住まい手の力も借りなければなりません。その土地を慈しみ、建物を好きになり、四季折々、色々な発見をしながら暮らしを紡いでいくこと。美しい建物を建て、植栽を行い、庭づくりを時間をかけてしていくことが暮らしの豊かさにも繋がると考え、PDOは建築と造園の両方を担えるデザイン事務所を目指しています。
美しい建物や庭は周辺にも影響を与え、豊かな環境の連続性を生みます。
好循環を生み出す手法がPDOの根幹にあるパッシヴデザインです。
2024.05.23
10年前スタジオの建築に合わせて、不毛の土地だった敷地の一部に1,000本ほどの広葉樹の苗木を植林しました。植物学者の故宮脇昭先生が提唱する混植密植の手法です。
1m四方に樹種を混ぜて3本づつ植えていきます。アプローチの左側は土を大量に入れてマウンドをつくり、野草エリアとしました。
2年目はこんな様子。
そして10年の歳月が経ち、緑に囲まれたうずまきスタジオが、木々の間から見え隠れします。どのくらいの費用をかけるか、どんな時間軸で考えるかによって、庭づくりの手法も変わってきます。
10年は長いかもしれませんが、5年くらいの時間軸で考えるのであれば、50~100センチくらいの苗木をたくさん植えて、小さな森をつくることもできます。
高木、中木、低木からなる階層。育った木々たちが日陰をつくり、適した野草も育ちやすくなります。庭づくり、森づくりの醍醐味は、毎年の変化。変わってゆく植生を眺めるのも楽しいものです。