2020.11.20
うずまきスタジオの完成後、何組かの住まい手の方々にも参加いただいて苗木の植樹を行いました。地域で採取したドングリやタネで地元のNPOがポット苗をつくり、植樹した数は1,000ポット以上にのぼります。
宮脇昭先生の混植密植の手法に習い1㎡に3~4本の様々な広葉樹を植えています。光を求める性質を利用し互いに競わせて成長を早める手法です。現在7年目に入ったところですが成長の早い桜や白樺はすでに樹高5~6メートルに達しスタジオまでの小道はグリーンベルトに沿った形になっています。
完成形を求めがちですがランドスケープデザインは時間のデザインとも言えます。勿論最初にしっかりと骨格となるデザインを描くことは重要です。
スピードを落としてみると反比例して記憶量が増えていき、四季の変化や年ごとの違いがたくさん感じられます。自然からの情報は暮らしを豊かにしてくれます。
2020.11.10
三浦さんと私で庭の手入れに伺っているトレイルランの家では
毎回手入れと同時に既存植物の植生調査も行っています。
8月には私たちが尊敬するゲンゴロウさんにも来ていただき
丸1日かけて植生調査を行いました。
ゲンゴロウさんとは、植物学者として活躍されている田中智(さとし)さんのこと。
通称 “ゲンゴロウ先生”です。
カラハナソウ
途中、近所の小学校で蝶について研究中のお友達も加わり
どうしたら学校に蝶が育つ環境を作れるか
軽井沢で蝶のために育てる食草は何がいいか
蝶の天敵についてなど、色々な話をしながらみんなで庭を散策しました。
「虫のことを知るためには、植物も知らないとね」
そう小さなお友達に話すゲンゴロウさんの言葉に、その逆もまただなと。
学びは永遠。小さい人との学びは、特に幸せです。
ギンヤンマ
コオニユリ
コバノカモメヅル
2020.09.24
今年鎮座100年を迎える明治神宮は、
日本のランドスケープ発祥の地と呼ばれています。
この森は昔からあったかのように錯覚しますが、
1920年の社殿竣工当時はマツを中心とした疎林でした。
そこに全国から集まった10万本の献木が植えられ、
植生の移り変わりによって現在の広葉樹の森になっています。
先人達の長期的な計画により今の森があり、
次世代に向けた森づくりもまた始まっています。
2020.08.18
7月のはじめ、トレイルランの家で樹木の植栽工事をしてきました。
建物を建てる際に、植物がすっかりなくなってしまった道路側の裸の土地へ
林をつくり、道から家が見えなくなるよう、あわせて41本の樹木を植えました。
樹木をひとつひとつ丁寧に降ろしたら、植え込み開始です。
まずは一番大きなカツラから。高さはこれで7mありますが、周囲の木が大きく
敷地も広いため、ちょうどよい大きさに見えます。
奥から手前へ、重機とともに移動しながら植えていきます。
配置は、新緑や紅葉時、木々の色が流れるような
自然な森をイメージしています。
また植える木は、最初からそこに居たかのように見えるよう
できるだけ自然な樹形のものを選んでいます。
そしてこちらが、ほぼ植え終わった時の写真です。
お隣から、林が続いているように仕上がりました。
今後は林から森へ。
敷地内で元々の植生が残る場所から、クロモジなどの小さな苗木や山野草を
この林の中へ移植していきます。
お子様とお友達が森を走り、獣道ができる日を夢見ております。
こちらは植栽前。景色がずいぶん変わりました。
2020.08.03
お引渡しから1ヶ月半がたつクランク・ロビンの家。何度かのご滞在で意識もだいぶ庭や周りの環境に向かいはじめています。敷地内の野草を移植したり購入された植物を植えたりとすでに庭づくりを楽しまれているご様子。
建築時の伐採で寂しくなってしまった建物まわりにどんな樹木を植えたらいいのか、以前よりご相談いただいておりましたが本日は細川さんの畑に樹木を見にいきました。
枝振りや樹高、葉っぱの形などでハウチワカエデの株立ちやサンゴミズキなど候補をいくつか決めてきました。その後現地で植える場所を打ち合わせ、室内から見ていただきながら樹高などの確認。
実際の植え込みは来春。ご提案を踏まえて金額や灌木の種類などを詰めていきます。