PDOのデザイン
春の訪れを花の香りでおぼえ、カッコウの合図で夏の準備をし、雨の音を聴き、時には雷に震え、嵐に不安な一夜を過ごすこともある。ひっそりとした秋から凍てつく冬は、火と家族のぬくもりを感じて過ごす…
今、情報の荒波の中にいる私たちは、日々の暮らしの中で、自身が大いなる自然の一部であるという実感を、どれだけ持つことができるでしょうか。日々の暮らしの行く先に、住まい手家族の幸せや豊かな社会をつくっていく、たくましい人の未来を描きたいと思います。
自然や地域から切り離されたシェルターのような家は、人本来のもつ五感を鈍らせてしまうだけでなく、先人からの暮らしの知恵も工夫も、伝えられない、活かされない、完結した機械の箱のようになっていく一方でしょう。
住まいを築くことは、みのりある生命について考えることと同じです。人や自然につながるために、開いたり閉じたりする。そんなしなやかで豊かな、生き物のような家。
PDOはあなたとつくっていきます。
文、画 中村大補