東京へは高速バスをよく利用します。利便性、アメニティーはほとんど同じなのに、JRは2倍の料金がかかりますから。
揺れるバスの中、それでも新宿までの2時間余りは、なにからも邪魔されない格好の仕事場です。「酔わない?」それは訓練のたまもの。全然平気です。
多くの宿題をカバンに詰めて、膝の上に画板を載せて、仕事の開始です。今日はまず「地面勾配の家」の階段手すりのデザインです。元の設計ではフラット鋼を用いたデザインでした。仕上がりつつある空間と考え合わせると、どうも硬質な感じになりそうです。丸鋼を用いたデザインに変更提案をオーナーにしようと思います。
ほどなくまとまりました。こんな時アイフォンはとても便利です。ガシャッとうつしてスタジオのKIGくんに即座に送ります。むずかしいぞ、図面におこせるかな?
古民家の三和土(たたき)の土間は外部環境と内部生活との中間領域です。外であり内でもある。日本独自の美意識でしょう。
土を何度も付き固めた三和土。石灰と石膏が主成分のセメントに砂を混ぜて水で捏ねたものがモルタルです。現代版の三和土をこれで表現します。乾燥割れ防止にワラスサをたっぷりと混ぜ、仕上げにワラスサを撒きながら木鏝で均します。
藁を建築に用いると、なんとも言えない郷愁が漂います。農耕民族としての奥深いところの感覚に触れるからなのでしょうか・・・・。