軽井沢での別荘のご計画。
候補地があるので所感を聞きたいとのご依頼を受けて中村と敷地へ。
傾斜のある別荘地の角地の一角。 自然と手が動き始めるのはインスピレーションが湧く土地でもあるということ。
特性のある敷地(素材)を料理するには技術とコストがかかることもあります。ここの植生や眺望、見えない水の流れを受け流すには適したかたちが存在します。住まい手にかわって未来の風景を見ています。
さっそくもう一つの候補地と合わせて所感をお伝えします。
私にも、そして多くのご同業のみなさんに光明が差した、
「ブックカフェの家」のUA値クリアー。
そもそもPDOを始めて、「この家寒い」と指摘を受けたことはただの一度もありません。
毎年のように冬、北海道の北方住宅仕様研修を重ねてきたのです。
真冬、Tシャツ一枚でアイスを食べる国の方々の家です。
そこから学ぶ温熱仕様は軽井沢や八ヶ岳での建築に大いに取り入れてきました。
3月21日、お彼岸でありながら重たい大雪の降りそそいだ日。
会の皆さんとツアーを組んで完成建築の見学会を強行しました。
計算モデルとした「ブックカフェの家」も見ていただきましょう。
こんなに窓だらけ。
でも暖かい家。
おそるべきROW-Eガラスの性能、ということでしょうか。
中村@PDO
「八ヶ岳らしい家づくりを考える会」の発足は昨年の11月。
通称「8らしい会」です。
そもそもは「中村さんの建築は2020年施行の外皮性能省エネ基準にNGでは?」
という建築士会の長坂治さんからのショックな電話から始まります。
「勉強会を潤ちゃんの作業場で今夜やるから来るといですよ」とのこと。
まだまだ先のこととのんきに考えていましたが、どうやら正面から向き合う時機到来。
複雑な詳細計算の技術習得の勉強会です。
おかげさまで身につけることができました。
これを建材メーカー任せにすることは何としてもやりたくないことでした。
計算技術の習得のモデルとしたのは「ブックカフェの家」です。
窓がとても多い家。
それでも地域区分4、要求UA値は0.75W/㎡K以下。
計算結果は0.57W/㎡K! クリアーですよ。
中村@PDO
敷地から浅間山が臨める林間の別荘地。
建築計画の相談をいただき対話を重ねています。あらためて土地を訪ねました。
美しい景観はその美しさを構成している要素がありその場の空間に線を引き内と外をつくる行為が建築でもあります。
一方でランドスケープデザインには「時のデザイン」という視点も大事です。流れを捉えて応答するパッシヴデザインのひとつ。
内側での営みと外側との関係性づくり。
閉じたり開いたりしながら変化していくありさま。自然はたくさんのことを教えてくれています。
意図を持って動きはじめ、意図を消していくプロセス。そこに生まれてくるものを愛おしむ気持ちがまた次の流れをつくりはじめます。