もう随分前から巷ではコンピュータを使った、3Dパースが主流となっていて、手描きのパースはとんと見なくなりました。
数字を入力してクリックポンッで、3D画像がどの角度からも作れますね。日にちと時間も反映して影のでき方も自由自在。
でも、私はこれだめなんです。単なる線の集合で空間表現なんてできていませんし、建築家がこだわるところもどうでも良いところも、均一に表現されてしまいますからとても線には見えますが、建築には見えません。確認した、というアリバイ作りには役立つのかもしれませんが・・・・・。
私の場合、手描きであろうとも、教科書どおりの透視図法でもだめなんです。どうしてもリアルに見えない。模型を作って、多くの角度からアングルを検討して、印刷した画像を下敷きに、透視図法の原則に沿って補正していきます。イエローペーパーの絵はそこまでの下絵です。それを基に最終の着彩画を起していくのです。
パースは建築家が自ら描くものだと思います。F・L・ライトだって清家清だってそうしていました。気持ちを込めるのです。
お引渡しが去年の12月。そろそろ1年目を迎えるソーラーシステム導入の家を、新たに設計依頼をいただいたSご夫妻に、内覧していただきました。
今日はこの秋一番の冷え込み。しっかり霜も下りました。ということはぴかぴかの晴れということ。そんな時このパッシヴソーラーシステムは本領発揮します。
82歳のお母さんも同居する家。「こんなに気持ちが良い家ならば安心して連れてこれるね。」
こんなにあったかくて維持費はゼロなんです。