台風10号の影響で朝から冷たい雨が降っています。
スタジオの窓辺でコーヒーを喫していますと、
実を結んだ姥ユリにしっかりとしがみついた夏蝉がいます。
時折吹く強い風にもたたきつける雨にも関せず、
ただ夏の終わりと自身の生涯の終わりを静かに迎え入れようとしているかのようです。
打ち合わせ場所に真っ先にやってきたのは「こみみ」さん。
大きなふわふわ耳がとってもキュートです。
とっても人懐こく、犬不足な私は思う存分撫でくりまわしました。
「さぁ、打ち合わせを始めましょう」というとき。
ふと見ると、こみみさんが中村のかばんに顔をつっこんでいます。
すぽんと顔が抜けると、宝物でも見つけたかのような顔で中村のバンダナをくわえていました。
洗濯してあるとはいえ、中村のエキスがたっぷりと染み込んだバンダナ。
こみみさんは、「たまらん…!」といった感じでなかなか離してくれません。
かわいいなぁとほっこり気分で、ちらと隣を見ました。
そこには、ちょっと困ったような、恥ずかしそうな、なんともいえない表情の中村がいました。
こーちゃんに会いに、鹿谷へ。
引き渡しから3ヶ月がたちました。ラグを敷き、当初はソファーを置く計画もありましたが、現在はこんな様子です。
「あまり物は置きたくない」
暮らしの中で大事にしたいこと、この空間であらためて確認されているようです。
窓から見える鹿谷のカラマツ林、その中に点在する広葉樹の若木たち。
内と外との繋がりと住まい手家族が想いが、心地よい居場所をつくりあげているようです。