公園の芝生と砂利敷きとを区分けする見切り材のデザイン処理に目を奪われました。
見切り材にはスチールが使われていますが、厚みが薄いため、シャープにエリアが分けられています。
芝生、見切り材、砂利という3つの素材のうち、見切り材の存在感を極力少なくすることで、芝生と砂利が主体となり、とてもすっきりとした印象になります。
公園の裏方の方になりますが、たまたまこの見切り材の施工方法を見ることができました。
砂利の下に基礎を打ち、そこから出した鉄筋に見切り材を溶接して固定しています。
目に見えるところをすっきりさせるために、見えないところでここまで手間とコストをかけていました。
デザイン処理としては効果的ですが、費用対効果という面で疑問が残りました。
明治生命館の入口に見られるデザイン処理です。
秩序だった外観を分断するかのような入口ですが、外壁の断面となる部分を黒のスチールプレートで丁寧になぞっているのにこの建物への敬意を感じました。
窓台の途中を切断することでモノの厚みを感じ、形を捉えることができます。普段見られない視点から歴史を感じ取ることもできます。
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明治生命館は1934年(昭和9年)に東京丸の内に竣工しました。1945年~1956年までアメリカ極東空軍司令部として接収され、連合国軍最高司令官の諮問機関である対日理事会の会場として使用されました。マッカーサー総司令官もこの会場で開催された会議に何回も出席しています。1997年、昭和の建造物として初めて国の重要文化財に指定されました。
石と芝生の相性の良さを感じる広場がありました。
全体的に芝生の緑が映える中で、人が歩きやすいように石畳が敷かれ、木陰になる場所に石のベンチが並んでいます。
石畳は切り出す時のノミの跡をあえて見せ、雨の時などに足が滑らないように、ストライプの凹凸がつけられています。
石畳の上を歩くことで、芝生が傷みづらいという効果もあります。
石のベンチは石本来の量感を感じさせるデザインになっており、人が触れるところはツルツルとした手触りのよい水磨き仕上げで、それ以外の部分は逆に荒々しい表情になっています。
石畳の配置に遊び心を感じながらも全体的には整然としています。歩く時の「コツコツ」という音がまた風情があります。