この春に完成した「鹿谷に開く家」
お気に入りの木との出会いを求めて畑めぐりです。
敷地はカラマツが主体の林でしたが、アオハダやリョウブ、
ヤマザクラ、ダンコウバイなどが林間に育っています。
自然な庭を構成するための骨格となる中高木をまずは2〜3本植える。
建築にともなって裸地となってしまった斜面は、
横に広がる広葉樹の根で法面養生をします。
オーナーご夫妻の好みは、野生的な樹木。
いかにも庭木として育てましたというような樹々ではなく、
山野にあるような佇まいのもの。
住まいと同じで庭づくりにもオーナーらしさが自然と出るものです。
木の選定についてはじっくり考えたいと、
来春に植え込みができるように方針を固めていきます。
まずは道路から家までの斜面を下りていく道や階段、
人の流れのデザインです。
信濃追分文化磁場「油や」では、明日から9月26日まで「信濃追分ビエンナーレ」が開催されています。
作品の発表の場であり、様々な目的や意図を持った人たちが出会う場所。
そんな人と人との結節点にPDOの軽井沢ルームはあります。
細田@PDO
完成から一年ちょっと。
経年検査と造園計画のお打合せで、
甲斐駒コーナーウィンドーのある家を中村と訪ねました。
引き渡し時にはまだ未完成だったリビングのコーナー。
低いソファと好きな絵本や小物たちが揃い、
小さな世界をつくりだしています。
環境が求める要件と住まい手の要望。
そのふたつを建築家が受けとめて、
未来のあり方を予見した建築デザイン。
実はお引き渡し時の段階では、まだ未完成なのです。
住まい手が暮らす時間の積み重ねと身近な関係性が、
家族の居場所をつくりあげていくのだと思います。
家族の暮らしやそこで過ごされる人たちを包み込みながら時に解放する建築。
唯一無二の建築は、敷地に立つことからその物語が始まっています。
未来のあるべき姿を予見する1枚の設計図。
たくさんの力が結集され、スケッチは形へと立ちあがっていきます。
自然の環境、家族、向こう三軒両隣の隣人たち、地域社会。
見えない境界線を越えて応答していくデザインが、住まい手と共に関係性を育んでいくのだと感じています。
こーちゃんに会いに、鹿谷へ。
引き渡しから3ヶ月がたちました。ラグを敷き、当初はソファーを置く計画もありましたが、現在はこんな様子です。
「あまり物は置きたくない」
暮らしの中で大事にしたいこと、この空間であらためて確認されているようです。
窓から見える鹿谷のカラマツ林、その中に点在する広葉樹の若木たち。
内と外との繋がりと住まい手家族が想いが、心地よい居場所をつくりあげているようです。