森化事業のリーダー愛さんと建築中の現場へ。学生生活の3年間は十和田キャンパスでフィールド科学を主体として土地情報や地形などの読み取り方を実践で学んできたツワモノです。
図面を片手に敷地内を歩きまわり切り株や既存の樹木の位置を落とし込んでいます。土地と建物の関係性や人の動線のあり方。そこに流れているものが活かされるデザイン提案が信条です。
ちなみに大学4年次には熱望していた利水研究室へ。水や川や虫と戯れた時間がいまも彼女の中で息づいています。
土地探しを始められたばかりの若い世代のご夫妻から建築予算や借入計画についてのご相談をいただくことも多くなりました。土地と建物の予算配分や家づくりという一つのプロジェクトでの優先順位の付け方やお金の流れのデザインなどお話ししています。
お伝えしたいのはお金の流れを意識してデザインしてほしいということ。消費ではなく生きたお金の流れをつくるために「何に?」「誰に?」を常に自分自身に問うてほしいのです。年長者の言うことが今の時代・社会からかけ離れていることも多々あります。様々な考えをしっかり受けとめて自らのデザインをつくってほしいと願っています。
竣工から1年半。ARBOR GARDENの平井さんによる庭づくりが「じょうもん平の家」で始まりました。植生や近隣状況など敷地環境を読み込んでのデザインは建築と似ています。
建物の竣工が建築の完成であるのに対し造園は竣工がはじまり。庭師の手により動きを伴いながら家と共に風景をつくります。
自然に対して謙虚な気持ちで土地のもつ潜在力を借りる。まなざしの先にある野草たち。敷地内にある表土の移植や裸地となった場所への新たな緑化方法の検討。住まい手・植物と対話しながらデザインの道筋を探ります。
敷地に立つ、ある一瞬に何を対象に見ているか。建築家のデザイン行為はすでに始まっています。
あいにくの雨模様ではありましたがご相談いただいているお客様の敷地調査です。
あるべき姿を捉えて敷地で描くスケッチ。映画が進行するように描いた一コマは変化していきます。そこに対話は必須です。対話ができる場づくりも重要なのです。
あるものがどう見えたのか、映画の良し悪しを左右する大事な起点であり、住まい手の熱がデザインに命を吹き込んでいきます。
GW後半、オーナー家族参加で平井さんの野草の庭づくり始まっています。棘のあるバラ系の植物が繁茂していてせっかくの庭が歩けない状態でした。仮払い機で抑えたい植物に大胆に手を入れながら自生している野草は移植する。和対洋の割合は7:3くらい。植物好きのオーナー奥様と相談しながら仕入れ計画も一緒に練っています。
草刈りやバーク堆肥入れ、苗の搬入など下準備に2日、家族総出の庭作業2日目で見違えるような庭になりました。ポイントは土地が持っている潜在の力を借りながら無理のない庭づくりの骨格デザインをすること。1ヶ月後の成長を楽しみにもうひと頑張りです。