味噌づくりは前々からやってみたいと思っていました。ある日ランチをしていました時、ふとしたことからその話題になりました。
私も良いおじさんになりました。楽しみを後にとって置くなんて出来なくなってきました。そこで「味噌づくり」。恵子さんに頼んでお膳立てしていただきました。
朝9時前からたっぷりの湧水で大鍋3器で大豆を煮ます。講師の清水さんを囲んでランチを終えると、いよいよ本番。米麹と沖縄の塩を混ぜ、しっかり砕いた大豆とこねます。容器に投げつけて空気を抜きながら詰めていきます。
これで今日はおしまい。後は時間が味噌にしてくれます。秋には完成です。
さあ、家が出来ました。庭は?
環境を傷つけずに建築をすることは出来ません。最小限にと気づかっても、不自然に整地され、地面はむき出しになってしまいます。これにはいつも胸が痛みます。一刻も早く「緑地回復を!」という衝動に駆られるのは私もオーナーも同じ。いっそ洋芝の種や、ヨモギなど野草の種でも蒔いてしまおうか。
でも、待ってください!
例え草であろうともその環境に即していない、外来の種など蒔いてしまえば、奇妙な土壌が形成され、潜在の、環境に即した森づくりの、妨げになってしまいます。
「潜在植生の木」の名前だからと言って、例えば某マートや園芸店で買ったとしたら、ほとんどの場合それはエリア外育ちです。同じウワミズサクラと名前は付いていても、森で自生しているそれと、売っているそれは厳密に言えば違う植物です。極端に言えばすべての種は固有種です。(ただ、現実にはPDOからポット苗を買っていただかない限り難しい望みなのですが・・・・)
草も同じ。買ってきた種を蒔くことは、潜在の森を早く復活させたければ逆効果になります。
そこで焦らず、むき出しの地面には次の春には雑草が生えてきますから、我慢して待ちましょう。根気強く雑草を短く刈り込んで土づくりに励むと良いでしょう。
ゴルフ場のような芝の庭にするのは、間違った考え方と言うことです。環境と時間がつくる森空間は、どんなガーデンデザイナーの作品よりも美しいです。
家に名前をつけたがる癖は今に始まったことではありません。もちろん私の住処にも名前はついています。
父のDNAをしっかりうけついで私も山男です。ことに八ヶ岳は はしからはしまで春夏秋冬歩きまわりました。そして、25才のことでした。この連嶺のふところのどこかに家を持つのだと決めたのです。
さて、八ヶ岳連嶺は岩あり、森あり、湖ありで多彩です。その中で、私が最も好きなところは・・・。北端の蓼科山南麓の天祥寺原です。ここの、コメツガの林がこよなく好きなのです。
そんなわけでコメツガの丘-ヘムロックヒルこの家をそう名付けることにしたのです。
イラストは八ヶ岳連峰を標高2200mラインで輪切りにしたときのかたちです。地球規模の大洪水があったらこうなるんでしょうね。