食物を自給しようというのは八ヶ岳に移住した20年前からの夢。せめてジャガイモくらいは。自邸庭ではミズナラが覆っているのでだめ。あおぞら農園を借りて浅川さんに指導を受けたのにだめ。
「ジャガイモなんかどうやったら失敗できるの?」と笑われても失敗するものは仕方ない。でも今年はスタジオの森の傍らに、日当たりのよいスペースを確保できました。
5月の連休中に植え込みをしました。夢を植えた、ということです。虫にもやられていないし、芽欠きも抜かりなし。日照りが続けば葉水もくれてます。順調に育って花も咲き始めました。
9月になれば段ボールいっぱいの大きなイモの収穫、夢がふくらみます。
PDOの森創造の一環として、敷地内に造成した丘を野草で覆うというプロジェクトがあります。かつて道路だった土地は全く養分がありません。どうやって豊かな野草園に出来るのか。
ここでの自然植生は?様々なシダ類、笹、ギボシ、おかわさび、ヨモギ、カンゾウ・・・物凄い種類があります。ポット苗など必要ありません。すぐ隣にある自然植生の地被を剥して貼りつける「ペール&ペースト」作戦を思いつきました。
植物は群生する習性をもっています。単独種で存在はしていません。豊かな自然景観を人為的に創るのはとても難しいことです。とにかくお手本はすぐ隣にある自然植生の姿。「自然から学ぶ」FLライトの教えです。
貼り付けられたところだけ妙に豊かです。自然景観になるにはいったいどれだけかかるでしょう。
東京へは高速バスをよく利用します。利便性、アメニティーはほとんど同じなのに、JRは2倍の料金がかかりますから。
揺れるバスの中、それでも新宿までの2時間余りは、なにからも邪魔されない格好の仕事場です。「酔わない?」それは訓練のたまもの。全然平気です。
多くの宿題をカバンに詰めて、膝の上に画板を載せて、仕事の開始です。今日はまず「地面勾配の家」の階段手すりのデザインです。元の設計ではフラット鋼を用いたデザインでした。仕上がりつつある空間と考え合わせると、どうも硬質な感じになりそうです。丸鋼を用いたデザインに変更提案をオーナーにしようと思います。
ほどなくまとまりました。こんな時アイフォンはとても便利です。ガシャッとうつしてスタジオのKIGくんに即座に送ります。むずかしいぞ、図面におこせるかな?