標高1100m八ヶ岳南麓に住んでいる。
ここ数十年程度の設計、施工技術の向上で
快適な生活が可能となった。
直近の都会である甲府には時々は降りることもある。
その道すがらよく目にするのは、
空を気持ちよく滑るグライダーの姿。
動力装置を持たずに気流をとらえて操縦する。
3,000m級の峰が連なる八ヶ岳は南北軸だ。
その東も西も谷状となっている。
東谷は塩川、千曲川、信濃川となり日本海に抜ける。
西谷は釜無川、諏訪湖、そうフォッサマグナだ。
やはり日本海まで抜ける大地溝帯。
大陸からの風はこの谷地形で加速度を増す。
この二つの風が八ヶ岳東西谷を吹き抜け、
ちょうど合体するポイントが韮崎と双葉だ。
これが俗に言う八ヶ岳颪(おろし)。
甲府盆地の冬を寒いものとしている。
航空協会、航空学園がある理由もそれだ。
小淵沢の人に「名物は何?」と聞くと「風」と答えた。
特に春先には北西からの吹き上げで
芝も剥がすと言う。
清里には風を鎮める「風の三郎」と言う社が今もある。
長い棒の先に鎌を掲げた「風切り鎌」も風習として残る。
地形的にこれら風の影響を受けない八ヶ岳南麓エリアは
居住地として人気がある。
中村@PDO
八ヶ岳の森は軽井沢とは違い土壌が豊かではありません。
火山活動、地質変動が太古の昔だったことで、
養分が下界に流失してしまったこともあり、
土壌、というより石層の上に森が形成されています。
今日視察に訪れた森は標高1500mの天然林です。
ミズナラ、コメツガ、ニレ、リョウブ、ズミ、オオヤマツツジ、サラサドウダン・・・、
それほど豊かな植生とは言えません。
樹齢は数百年と思われますがどの樹も大きく育てないでいるようです。
去年秋の台風の影響でしょう。
大きなミズナラが倒れています。
広葉樹がそうなるのは稀なことです。
はがれた根を見てみて原因がわかりました。
大きな岩の上に根を張っていたことで横根はそこそこありますが、
直根(まっすぐ下に伸びる根)が皆無です。
かわいそうに・・・・・。
同行したフェロー建築家の上條さんもびっくり。
ちょうど150の体がすっぽりおさまってしまいました。
まるで森わらし、フェアリーみたいで面白いですね。
中村@PDO