クマの親子のオブジェ。スチールのフレームで出来たシンプルな造形です。
斜め横から見てみると、、、、
手前と奥の2つのパーツに分かれていました。
三角形で構成された輪郭と、背景となるハッチング。これらが組み合わさり1つの立体に見えるのです。
デザインの楽しさの1つに「驚き」や「気付き」があります。以前、お引渡し後に訪ねたオーナーから「住んでいて毎日のように発見がある」と言われたことがありました。その1つが建築の「ディテール」でした。
様々な素材が取り合う建築はまさにディテールの集合体です。どのような構成で空間が作られているのか、この気持ちの良さは何処から来ているのか、、、
全てにデザイナーの仕掛けがあり、それに気が付いた時、やはり感動があります。
そして実はその先があり、時にデザイナーの仕掛けを超えたプレゼントのようなものもあります。
これはモーエンセンと語る家のオーナーから届いた写真です。太陽の光が北側の壁のタイルに当たり、文様が浮かび上がっている様子です。
季節や時間など特定の条件が重なった時だけこの様に照らされるのです。
オーナーはアイルランドのニューグレンジの様だと表現して下さいました。
図面や模型、パースからは想像できないこういった瞬間に建築の奥深さを感じます。
PDOの森創造の一環として、敷地内に造成した丘を野草で覆うというプロジェクトがあります。かつて道路だった土地は全く養分がありません。どうやって豊かな野草園に出来るのか。
ここでの自然植生は?様々なシダ類、笹、ギボシ、おかわさび、ヨモギ、カンゾウ・・・物凄い種類があります。ポット苗など必要ありません。すぐ隣にある自然植生の地被を剥して貼りつける「ペール&ペースト」作戦を思いつきました。
植物は群生する習性をもっています。単独種で存在はしていません。豊かな自然景観を人為的に創るのはとても難しいことです。とにかくお手本はすぐ隣にある自然植生の姿。「自然から学ぶ」FLライトの教えです。
貼り付けられたところだけ妙に豊かです。自然景観になるにはいったいどれだけかかるでしょう。