訪れた小さな川沿いにある敷地。未来の住まい手がこの場所を選んだ訳を少しだけ感じることができた。
あたり前だけど、不自然ではない。その環境の中で、流れが妨げられないように、現れたかたちだから。
そのデザイン(かたち)に流れているもの。流れが通過してできた、道筋としてのかたち。
自然から学ぶ。これもPDO流。
雲隠れの家では一つの空間に3色のクロスが登場します。候補にあがったクロスは並べてみると馴染みも良いです。
でもやはりちょっと心配。インテリアパースにクロスを貼り付けて検討しました。でも、これだけではとても判断しきれません。
実際に空間で見ないとだめですね。候補にあがっている数枚のクロスたちを天井にとめスタッフで眺めます。
不思議なことに実際に天井へ貼って眺めてみると『あれ?』と思うほど印象が違って見えます。距離だけではなく、昼には強く感じなかった色味が夜になると強くでてきたりなど、印象が変わってくる場合もあります。
じっくりとながめおおよその的が絞れたところで、オーナーにも検討いただくことにします。
雪が降ると、自然とゆきだるまをつくってしまいます。不思議ですね。なぜかつくらずにはいられないのです。雪が降るたびにそんな気分になるわけですから、PCの写真フォルダの中には歴代のゆきだるま達がいます。ちなみに今回はニヒルな表情に仕上げてみました。
次の朝になると、ゆきだるまの足元がぐずぐずに溶けていました。心なしか前回より溶けるのが早い気もします。少しずつ春へと向かっているのでしょうか。
冬さん。美しい銀世界は十分楽しみました。今では芽吹きの季節が待ち遠しいです。
そんなわけで『春よこんにちは!』と期待を込めて、彼をハローこと『春朗』と名付けることにしました。
古い家屋を取り壊して、新世代が新たに家をつくります。思い出がいっぱいです。
とても面白い広告が壁に張ってありました。1975年と書いてあります。もう40年も前の高峰高原スキー場の案内です。
時代の空気が詰め込まれています。なぜか2乗りの自転車に若い男女が・・・。雪の上を自転車でスキー場に行くなんて・・・。そもそもスキー靴でこぐことができるんだろうか?すごいサイケデリックな服装だ。振り向いた顔が老けて見えるのはなぜ?この時代のデザインは理屈ではなく雰囲気を大切にしたのでしょう。いつまで見ていても見飽きない味わい深さがあります。
古い家屋のオーナーも40年前は若者だったんですね。「デザインは時代を映す鏡である」と学生時代に教わりました。それでもこの価値観の変わりようには目を見張ります。
でも、建築、それも住宅デザインは100年価値が変わらないものをつくりたいのが私の望みです。