「こんっ」
音の出どころは薪ストーブ。
中で何かが暴れています。
どうやら鳥が煙突から入ってきてしまったようです。
扉を開けた瞬間、舞い上がる灰と共に飛び出した「キセキレイ」。
窓ガラスに勢いよくぶつかってしまいました。
脳しんとうをおこしているのか、ぽかんと口を開けたまま動きません。
「なんであんなところにガラスがあるのよ…」と文句を言っているようにも見えます。
度胸試しというのでしょうか。
ただ通り抜けるだけならよいのですが、いつの間にか煙突の中で暮らし始める子もちらほらいるようです。
外部から遮断されているので、敵にも狙われにくく巣をつくるのに最適な環境なのでしょうね。そんな場所を見つけ出す本能と知恵には感心します。
そんなことですので薪ストーブを使い始める際は、誤って鳥の燻製をつくらないよう、要注意です。
美鈴の家の敷地は、ご近所さんの散歩コースの途中にあります。
木立の間に佇む家が気になるのか、立ちどまり眺めていく方が多いのです。
目が合ってしまうとお互いにちょっと気まずいですね。
そんなこともあって、自然な感じの森再生が始まっています。
ここは標高1,600mの八ヶ岳高原。
スタジオのある(標高1,100m)南麓とは気候が違い、植生も違います。
建築でむき出しになってしまった裸地には、この地に適した中高木を植樹し、適度な日照をつくりだします。
その後は、楽しみながら森の成長を見守ります。
自然な庭のデザイナーは住まい手とゆっくり流れる時間。
株立ちのアオハダの根締めは?
いよいよ山に咲く野草たちの出番です。
NPO八ヶ岳景観の会の理事をしています。
理事といってもほとんど会合には出席できていません。
それでも会で育てている八ヶ岳潜在種のポット苗の水やりだけは欠かさずやります。
今年も当番が巡ってきました。
早起きして育苗場へ。
約1万ポットは育てていますので水やりには最低でも1時間はかかります。
種採りしてトロ箱で発芽させてポットに移植して3~4年育ててやっと移植できます。
私はただ愛情をこめて水やりするだけですが、
会の皆さんは英知を絞って生長の面倒を見ています。
去年は異常な日照りが続いてマユミなど相当枯れかかってしまいました。
そんなわけで丁寧に藁敷もされています。
混色密植式の潜在森の再生をどんどん推進したいものです。