美鈴の家の敷地は、ご近所さんの散歩コースの途中にあります。
木立の間に佇む家が気になるのか、立ちどまり眺めていく方が多いのです。
目が合ってしまうとお互いにちょっと気まずいですね。
そんなこともあって、自然な感じの森再生が始まっています。
ここは標高1,600mの八ヶ岳高原。
スタジオのある(標高1,100m)南麓とは気候が違い、植生も違います。
建築でむき出しになってしまった裸地には、この地に適した中高木を植樹し、適度な日照をつくりだします。
その後は、楽しみながら森の成長を見守ります。
自然な庭のデザイナーは住まい手とゆっくり流れる時間。
株立ちのアオハダの根締めは?
いよいよ山に咲く野草たちの出番です。
NPO八ヶ岳景観の会の理事をしています。
理事といってもほとんど会合には出席できていません。
それでも会で育てている八ヶ岳潜在種のポット苗の水やりだけは欠かさずやります。
今年も当番が巡ってきました。
早起きして育苗場へ。
約1万ポットは育てていますので水やりには最低でも1時間はかかります。
種採りしてトロ箱で発芽させてポットに移植して3~4年育ててやっと移植できます。
私はただ愛情をこめて水やりするだけですが、
会の皆さんは英知を絞って生長の面倒を見ています。
去年は異常な日照りが続いてマユミなど相当枯れかかってしまいました。
そんなわけで丁寧に藁敷もされています。
混色密植式の潜在森の再生をどんどん推進したいものです。
PDOの新たな挑戦のステージ、「MOLINOTH」プロジェクト。
その拠点となる群馬県みどり市の「こうもりテラス」はショールーム兼スタジオです。
主体となる樋口工務店は地元で3代つづく実力派です。
昨年からつくり続けて途中休止もあり、ようやく完成に近づきました。
今日は工務店代表に英一さんから「外ステップのデザインどうしましょう?」。
当初の計画ではこれはコンクリートでつくるスロープだったのです。
それは将来の楽しみでとっておいてまずは木でつくることとなりました。
こうしたどうにでもできてしまうことこそ重要なのです。
この外ステップはこの施設の導入口、一番最初に来訪者が触れる(足の裏で)ところ。
かといって凝りすぎたデザインは全体の流れを阻害してしまうでしょう。
「んー!」現場で私は悩みこんでしまいました。
そんなわけで持ち帰り検討です。
できました。「されどステップ」の製作図です。
「ファンキーな庭にしたいんです・・・。」
ブックカフェの家のオーナーは、またまた難解なことをおっしゃいました。
この言葉には2通りの意味がありますね。
一つは「COOL」・・・いかす、かっこいい、という意味。
もう一つは「泥臭い」とでも言いましょうか、あまり好意的には使われない意味。
ことの流れから判断する必要があります。
この場合「泥臭い」でしょう。
垢ぬけて整いすぎた庭、というよりも粗野で野性味のある庭、そのように私は解釈しました。
環境とは粗野なものです。
ただ、人の手の加え方によって美しくも、醜くもなるものです。
庭も同じで、「FUNKY GARDEN」はまさにPDO流でもあります。
絵を描いてみました。
コニファーの列植、野芝全面張り、外来種花・・・funkyじゃないですね。