この春に完成した「鹿谷に開く家」
お気に入りの木との出会いを求めて畑めぐりです。
敷地はカラマツが主体の林でしたが、アオハダやリョウブ、
ヤマザクラ、ダンコウバイなどが林間に育っています。
自然な庭を構成するための骨格となる中高木をまずは2〜3本植える。
建築にともなって裸地となってしまった斜面は、
横に広がる広葉樹の根で法面養生をします。
オーナーご夫妻の好みは、野生的な樹木。
いかにも庭木として育てましたというような樹々ではなく、
山野にあるような佇まいのもの。
住まいと同じで庭づくりにもオーナーらしさが自然と出るものです。
木の選定についてはじっくり考えたいと、
来春に植え込みができるように方針を固めていきます。
まずは道路から家までの斜面を下りていく道や階段、
人の流れのデザインです。
野草の丘のけもの道を歩いていたら「!」と息が止まりました。
今までにみたことがない巨大なきのこ。
直径15センチはあります。
辺りを見ると、あちこちにぽこぽこ生えています。
図鑑で調べてみると、どうやら「ノウタケ」というきのこ。
いずれかさの部分が脳みそのようにしわしわになるそうです。
アミガサタケにも驚きましたがこちらもなかなか…。
さっそく出張中の中村に写真を送ったところ、
八ヶ岳南麓では初めて見たと連絡がきました。
おそらく、運んできたバーク堆肥に胞子が混ざっていたのでしょう。
「食菌だから、コンソメスープにして食べてね。」なんて一言もありましたが、
ちょっと怖いのでスタッフ全員が揃っているときにいただきたいと思います。
まだこれから九州に上陸というのに、長野では激しい雨に見舞われています。
連休を楽しもうと多くの方が山の家に訪れているさなかです。
「大雨になれば道路は川と化します」たびたび説明することですが、
実際を目の当たりにする機会は少ないかもしれません。
せぎの家オーナーから「中村さん設計の導水のせぎ、しっかり機能してますよ!」と、
画像も添付されてきました。
大量の漂流水が敷地内に流れ込んでいます。
私の案に対し、道路管理者は「そんなことはない」と立場上頑張っていましたが、
物事の道理というものは一定しています。
自然に対抗せずに受け流すという発想の転換で新しいデザインが生まれます。
(※画像提供:せぎの家オーナー)
信濃追分文化磁場「油や」では、明日から9月26日まで「信濃追分ビエンナーレ」が開催されています。
作品の発表の場であり、様々な目的や意図を持った人たちが出会う場所。
そんな人と人との結節点にPDOの軽井沢ルームはあります。
細田@PDO
台風10号の影響で朝から冷たい雨が降っています。
スタジオの窓辺でコーヒーを喫していますと、
実を結んだ姥ユリにしっかりとしがみついた夏蝉がいます。
時折吹く強い風にもたたきつける雨にも関せず、
ただ夏の終わりと自身の生涯の終わりを静かに迎え入れようとしているかのようです。