土地選びの段階でお声かけいただくことも多くなりました。
そこに家が建った時に生まれる空間や
自然・地域社会とのつながりは想像しづらいことでしょう。
ひとつの解として、まだ存在しないものを予見して形にすること。
それが建築家の仕事でもあります。
「こっちか?あっちか?」
分かれ道では立ち止まることもあります。
自分にとって家族にとっての大事な時間。
わたしたちができること。
それは話を聞き、ともに感じるお手伝い。
住まい手の選択の先に、
建築ができることがあるのだと思うのです。
細田@PDO
毎週火曜日は外構整備の日。
雨続きでしばらくお休みでしたが、昨日は久しぶりに青空が広がり、朝からうずまきスタジオの庭仕事。
redくんが慣れない手つきで通路へ伸びているツル性植物をチョキチョキ。
建築と違い、動いている植物。いきもの相手なのです。
未来の姿を想像し、愛情を持って時に大胆に手を入れることも大事ですね。
この春に完成した「鹿谷に開く家」
お気に入りの木との出会いを求めて畑めぐりです。
敷地はカラマツが主体の林でしたが、アオハダやリョウブ、
ヤマザクラ、ダンコウバイなどが林間に育っています。
自然な庭を構成するための骨格となる中高木をまずは2〜3本植える。
建築にともなって裸地となってしまった斜面は、
横に広がる広葉樹の根で法面養生をします。
オーナーご夫妻の好みは、野生的な樹木。
いかにも庭木として育てましたというような樹々ではなく、
山野にあるような佇まいのもの。
住まいと同じで庭づくりにもオーナーらしさが自然と出るものです。
木の選定についてはじっくり考えたいと、
来春に植え込みができるように方針を固めていきます。
まずは道路から家までの斜面を下りていく道や階段、
人の流れのデザインです。
野草の丘のけもの道を歩いていたら「!」と息が止まりました。
今までにみたことがない巨大なきのこ。
直径15センチはあります。
辺りを見ると、あちこちにぽこぽこ生えています。
図鑑で調べてみると、どうやら「ノウタケ」というきのこ。
いずれかさの部分が脳みそのようにしわしわになるそうです。
アミガサタケにも驚きましたがこちらもなかなか…。
さっそく出張中の中村に写真を送ったところ、
八ヶ岳南麓では初めて見たと連絡がきました。
おそらく、運んできたバーク堆肥に胞子が混ざっていたのでしょう。
「食菌だから、コンソメスープにして食べてね。」なんて一言もありましたが、
ちょっと怖いのでスタッフ全員が揃っているときにいただきたいと思います。
まだこれから九州に上陸というのに、長野では激しい雨に見舞われています。
連休を楽しもうと多くの方が山の家に訪れているさなかです。
「大雨になれば道路は川と化します」たびたび説明することですが、
実際を目の当たりにする機会は少ないかもしれません。
せぎの家オーナーから「中村さん設計の導水のせぎ、しっかり機能してますよ!」と、
画像も添付されてきました。
大量の漂流水が敷地内に流れ込んでいます。
私の案に対し、道路管理者は「そんなことはない」と立場上頑張っていましたが、
物事の道理というものは一定しています。
自然に対抗せずに受け流すという発想の転換で新しいデザインが生まれます。
(※画像提供:せぎの家オーナー)