森化事業のリーダー愛さんと建築中の現場へ。学生生活の3年間は十和田キャンパスでフィールド科学を主体として土地情報や地形などの読み取り方を実践で学んできたツワモノです。
図面を片手に敷地内を歩きまわり切り株や既存の樹木の位置を落とし込んでいます。土地と建物の関係性や人の動線のあり方。そこに流れているものが活かされるデザイン提案が信条です。
ちなみに大学4年次には熱望していた利水研究室へ。水や川や虫と戯れた時間がいまも彼女の中で息づいています。
ウッドデッキはもう1つのリビングスペースです。
フラットで広場のような場所なので楽しみ方も自由。
バーベキューをしたり、朝食やお茶を楽しんだり、
ハンモックを吊るして読書なども至福の時ですね。
プランによっては屋根を設けることも可能です。
より室内化した「インナーデッキ」という考え方です。
一番のメリットは天気を気にすることなく楽しめるということ。
「MOLINOTH(もりのす)」では壁に大谷石を張り、
ちょっとした焚き火の出来るファイヤープレイスを設けました。
外でもない、中でもない、その中間領域で、
デッキスペースは多くの時間を過ごすことができます。
群馬県みどり市に立地する「MOLINOTH(もりのす)」。
緑に囲まれた静かな環境ですが、群馬の厳しい夏に備えて冷房は必須です。
ここではエアコンは使わず、冷温水輻射パネルを採用しました。
写真右側の白いルーバー状のパネルです。
夏はパネル内に冷水を流し、冷輻射によりひんやりとした涼しさを感じることができます。
風もなく、音も出ないのでとても快適です。
また、冬は温水を循環させることで輻射熱が発生する仕組みになっています。
さらにもう1つの特徴が機器そのもののインテリア性。
ルーバーの用途を兼ねるので視線を緩やかに遮ってくれます。
1台で3役こなす優れものです。