薪ストーブは非日常的で見た目に楽しめる一方で、
眺めるだけではもったいないほどの暖房能力や実用性を備えています。
使えば使う程、相棒の様な頼もしい存在になっていきます。
薪ストーブ選びの入口は人それぞれ。
デザインから入るも良し、機能にこだわるも良しです。
ショールームに行って実物を見てみるのも良いですね。
薪ひとつとっても入る長さや入れ方が色々あることが分かります。
この日見たのは「クッキングストーブ」と呼ばれるタイプ。
オーブンと炉が別構造になっています。
イタリア製のドミノ(写真下)は炉内の炎が直接クックトップに向かうため熱効率が高く、
レストランなどプロの現場でも使われる本格的な一台です。
リング状の蓋を外せば直火が使え、中華鍋も置けます。(上段が炉、下段がオーブン)
一方、デンマーク製のノルン(写真下)はオーブンが上段にあります。
炎が目線に近い位置で楽しめるのも縦型デザインの良いところです。
また、天然石ですっぽりと覆われているので蓄熱効果が抜群です。
まずは薪ストーブに何を求めるか、
お気に入りの一台に出会うための第一歩です。
八ヶ岳の森は軽井沢とは違い土壌が豊かではありません。
火山活動、地質変動が太古の昔だったことで、
養分が下界に流失してしまったこともあり、
土壌、というより石層の上に森が形成されています。
今日視察に訪れた森は標高1500mの天然林です。
ミズナラ、コメツガ、ニレ、リョウブ、ズミ、オオヤマツツジ、サラサドウダン・・・、
それほど豊かな植生とは言えません。
樹齢は数百年と思われますがどの樹も大きく育てないでいるようです。
去年秋の台風の影響でしょう。
大きなミズナラが倒れています。
広葉樹がそうなるのは稀なことです。
はがれた根を見てみて原因がわかりました。
大きな岩の上に根を張っていたことで横根はそこそこありますが、
直根(まっすぐ下に伸びる根)が皆無です。
かわいそうに・・・・・。
同行したフェロー建築家の上條さんもびっくり。
ちょうど150の体がすっぽりおさまってしまいました。
まるで森わらし、フェアリーみたいで面白いですね。
中村@PDO
片流れの屋根裏を使ったゲストルーム。スピリチュアル・キャビンに相応しい空間が生まれています。
ベッドは造作でスノコと枠をつくりオーナーがマットレスをオーダーして収めています。
寝心地も抜群です。
部屋は階段スペースも入れて9帖のコンパクトスペース。
年末年始を山荘で過ごされたオーナーから写真と共に嬉しい報告が届きました。急遽ご長男も合流されてご家族で鍋を囲みながら過ごされたとのこと。家族で過ごす新しい年の幕開けです。
もう一つのテーマであった「Spiritual Retreat Cabin」は、オーナーの手で磨かれこれから使いこまれていくことと思います。この春には外構造園工事も始まり、新たな進化を遂げることでしょう。
(写真はオーナー奥様提供)
新年おめでとうございます。
旧年中は皆様にたすけていただき無事に今日を迎えることができました。
感謝にたえません。
家をつくるということはその家が存在し続ける未来をデザインすることです。
これは住まい手、設計者、職人が息を合わせ同じ気持ちで取り組むプロジェクトです。
取り巻く環境に対抗することなくしなやかに沿うこと、
これがルールであり、美だと思います。
PDOは今年もていねいにていねいに仕事を重ねて参ろうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
中村大補 代表・主宰建築家
細田東男 代表・マネージングディレクター
加藤実 フェロー建築家
橋爪賢一 フェロー建築家
金澤愛 造園デザイナー
木口裕哉 施工管理