2019.08.05

適材適所の施し

デザイン道


PDOでは敷地条件などにより「への字」に曲がったプランを採用することがあります。
写真は135°に開いたコーナー窓です。
直角以外の角度で木材が取り合う場合には少々工夫が必要です。


木材は湿気で膨らみ乾燥で縮む特徴があります。
そこで出来るだけ木材に隙間が出来ないように薄い板を挟んで接着します。
この技術を雇い実(やといざね)と言います。

経年変化を見込んで出来るだけのことをしておく、職人の技術です。

2019.07.03

1本のワイヤー

デザイン道


自然の中に居を構えようとした時、
そのエリアに建つ建物を観察してみることをおすすめします。
経年変化の具合や湿気による影響など、建築時の注意点に溢れています。
もし外壁や軒裏に穴が開いていれば、
それはキツツキの仕事と見て良いでしょう。
新しく建てる家で対策しておくのが得策です。

キツツキは必ずどこかに脚を引っ掛けます。
そういった場所をなくしてしまえば良いのでは?
中村が考案したのがワイヤーによる仕掛けです。
丸環を屋根の先端に取り付け、
ワイヤーを張ることでキツツキの脚が掛からないという、
キツツキの側に立ったアイデアです。

その効果の程はいかに?
経過を見守りましょう。

2019.06.04

法面を考える

森づくり

PDOにご依頼いただく方の土地には、豊かな植生が見られることが多くあります。
そしてまた、平らな土地などは皆無で、いずれも法面が多く見られます。

法面をどう仕上げるか。
建物を建てる際にどうしても失われる植生を、できれば取り戻したい。
と、私も施主様も考えます。
それは、植生を含めたその土地に魅了されているからでしょうか。

よくある牧草を使った法面処理は、慎重に行い
できればその地の植物に戻していきたい。
そのための実験を、事務所の敷地内法面で行っています。

今年の4月23日、表土を剥いだところ(工事後の状況を再現)に植栽ネットをはり
ネットの間に、植栽を植え込み、腐葉土をかけて仕上げました。


そして6月3日現在の様子はこちらです。


雨風にあたり、上にかけた腐葉土の多くは流れていますが
植えた植物や苔が定着して葉を広げ、植栽ネットもさほど気になりません。


公共工事や店舗で見られる植栽ネットですが
丁寧に、間に石や苔や植物を入れ、凹凸をつけることで
より自然な雰囲気に仕上げることができそうです。

2019.05.20

ブランドイメージを表現する

デザイン道


赤坂にあるとらや本店を訪ねました。
建て替えによる3年間の休業期間を経て、去年10月にリニューアルオープンしています。
周囲のビルに比べてとても低く、円弧状の大屋根が特徴的です。



大屋根を支えるのがリズミカルに並んだスチールの架構です。
持ち出しになっているので屋根の下に柱がありません。
シンボリックな階段は安全性に配慮しながらも誘われるような魅力があります。
そしてふんだんに使われたヒノキがなんとも贅沢!

都市部の商業建築は少しでも床面積を広げようと考えますが、
この建物は建て替え前の9階建よりも小さい地下1階・地上4階建。
テナントスペースを設けて利益を得るよりも
純粋に和菓子屋としてのブランド発信に特化した形です。

2019.05.12

7年後の風景を描く2 ーソフトスケープデザインー

デザイン道


家が完成し石積み工事なども終わり樹木や草花でこのエリアの風景をつくる仕事がはじまっています。ご夫妻と年末に打ち合わせしたゾーン毎にテーマを持って庭づくりを行います。

裸地になっている斜面には平井さん手づくりの庭へとつながる階段ができあがり、連休明けから植え込みがはじまっています。


仮置きしてあるポット苗はタイム。グランドカバーとしてクリーピングタイムなどを地植えします。鹿の通り道になっている敷地なので鹿の嫌う植物を植えたり、一時的にワイヤーメッシュでガードをしたり。鹿との折り合いのつけ方も実践の中で探っています。

(一部写真提供:平井氏)

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