PDOにご依頼いただく方の土地には、豊かな植生が見られることが多くあります。
そしてまた、平らな土地などは皆無で、いずれも法面が多く見られます。
法面をどう仕上げるか。
建物を建てる際にどうしても失われる植生を、できれば取り戻したい。
と、私も施主様も考えます。
それは、植生を含めたその土地に魅了されているからでしょうか。
よくある牧草を使った法面処理は、慎重に行い
できればその地の植物に戻していきたい。
そのための実験を、事務所の敷地内法面で行っています。
今年の4月23日、表土を剥いだところ(工事後の状況を再現)に植栽ネットをはり
ネットの間に、植栽を植え込み、腐葉土をかけて仕上げました。
そして6月3日現在の様子はこちらです。
雨風にあたり、上にかけた腐葉土の多くは流れていますが
植えた植物や苔が定着して葉を広げ、植栽ネットもさほど気になりません。
公共工事や店舗で見られる植栽ネットですが
丁寧に、間に石や苔や植物を入れ、凹凸をつけることで
より自然な雰囲気に仕上げることができそうです。
赤坂にあるとらや本店を訪ねました。
建て替えによる3年間の休業期間を経て、去年10月にリニューアルオープンしています。
周囲のビルに比べてとても低く、円弧状の大屋根が特徴的です。
大屋根を支えるのがリズミカルに並んだスチールの架構です。
持ち出しになっているので屋根の下に柱がありません。
シンボリックな階段は安全性に配慮しながらも誘われるような魅力があります。
そしてふんだんに使われたヒノキがなんとも贅沢!
都市部の商業建築は少しでも床面積を広げようと考えますが、
この建物は建て替え前の9階建よりも小さい地下1階・地上4階建。
テナントスペースを設けて利益を得るよりも
純粋に和菓子屋としてのブランド発信に特化した形です。
家が完成し石積み工事なども終わり樹木や草花でこのエリアの風景をつくる仕事がはじまっています。ご夫妻と年末に打ち合わせしたゾーン毎にテーマを持って庭づくりを行います。
裸地になっている斜面には平井さん手づくりの庭へとつながる階段ができあがり、連休明けから植え込みがはじまっています。
仮置きしてあるポット苗はタイム。グランドカバーとしてクリーピングタイムなどを地植えします。鹿の通り道になっている敷地なので鹿の嫌う植物を植えたり、一時的にワイヤーメッシュでガードをしたり。鹿との折り合いのつけ方も実践の中で探っています。
(一部写真提供:平井氏)
八ヶ岳の南麓で産出する通称「やつ石」
愛さんが庭を手がけたお宅にお邪魔しました。地元の石材屋さんが加工した石を使っての石積みです。
オーナー自らが時間をかけて積んでいます。
積み方も石の産地や用途で色々ありますが布積みでしょうか。
石積み一つとっても使う素材、積み方によってその表情は様々です。住まい手の好み、環境との馴染み、樹木や草花との相性など検討する要素はたくさんあります。
樹木や草花などのソフト、デッキや石積みなどのハード。ソフトスケープとハードスケープで構成されるトータルな空間とデザイン性を考えるのがランドスケープデザインです。
上棟式の会席弁当でお世話になっているけろけろキッチンさん。
以前は中軽井沢の駅前にお店を構えていましたが、
今はそこから車で2~3分離れた森の中で営業をされています。
上棟式は棟上げのお祝いや工事の安全を祈願する儀式ですが、
大工さんへの労いの場でもあります。
季節の良い時は棟上げを終えたばかりの建物の中に座敷を作り、
大工さんを囲んでお弁当をいただくのも気持ちが良いです。
お店を訪ねると美味しそうな惣菜がずらり!
普段使いのお弁当・惣菜屋さんとしてもおすすめです。