かつて日本人の文化は森と共にありました。人の立ち入りを拒絶した極相の森であるブナ林、建築用材として領主が保護、伐採を禁じた樹(いつき)の森、薪や炭など燃料供給や堆肥づくりに利用されたコナラ、クリなどの雑木林。人の暮らしは昔から森の恩恵をうけ、バランスよく営まれてきました。多くの昆虫や鳥、獣も森を住処としてきました。
現代になって人口が膨大になり、それを賄う社会システムを築くにあたり、かつての森林文化は無きものとされました。森林は人にとって有用なものではなく、そこで育まれる生物多様性も無用なものと勘違いされてしまいました。すぐに金銭に替えられないこと、すぐに結果の出ないことなどを切り捨て、人間も自然界の一員であることを忘れてしまえば、健全によりよく生きるための場を自ら手放すことになるのです。
その一方、地球温暖化、異常気象、水資源問題など様々な環境問題を経験する中で多生物が暮らす森を育むことが、巡り巡って人の存在を維持するために不可欠であることに、最近になって多くの人が気付き始めています。自然の中に住まいを求めることは、外来種に占拠されて荒れた土地を豊かに変換するきっかけとなり、歓迎されることです。広大な土地に人の住まいはほんの一部です。何百年、何千年とその土地の人々と生きてきた土地本来の潜在自然植生の森林を育むことは、100年200年先を考えると、とても価値のある行為なのです。
森は国有林や国定公園でもない限り地権者のものです。森が地権者にとって有用でなければ、何の躊躇もなく破壊してしまうでしょう。でも、森はその存在自体が有用なものです。森を育む必要性を理解し、実行する人の心を私たちは育みたいと思います。また、新たに地権者となった住まいを築く人たちにモデルを提供したいと思います。
ブログをご覧になられた樹木に造詣が深いオーナーから教えていただきました。
ナラメイガタマバチがコナラなどの若い芽につくる虫コブで「楢芽毬五倍子」(ナラメイガフシ)というそうです。中心部には幼虫室が見られます。
虫コブは知っていましたが、こんな芸術的な形もあるのですね。まだまだ勉強が足りません。
我が家のコナラの木に5〜6個なっています。ドングリの実、葉っぱの形からして、コナラであることは間違いないと思うのですが、写真のような実がいくつかついているのです。
クヌギのドングリに似ているのですが、まさか寄生している訳でもないでしょう。
いろいろ調べてみましたが、結局わかりません。ご存知の方がいらしたらぜひ教えてください。