去年の大震災があった日、私は北海道の寒冷地住宅視察旅行の帰り、首都高速走行中のバスの中でおきた。末期を覚悟したと同時に職業癖で、超高層ビルの層間変異の様子に見とれているうちに揺れはおさまり、そして私は生きていた。
そんなこともあり遠方への旅行にご無沙汰している。先日事務所の大掃除(いつも唐突に始まる)をしていたら、数年前に訪れたフィンランドの資料がボロッと出てきた。
私は日常のドローイングでもそして、旅の友としても赤青鉛筆が欠かせない。最近はこれが1ダース単位で売っていない。1本ずつ個包装になってまるで天然記念物あつかい。これ1本あれば黒鉛筆とあわせればオールカラー表現が可能なのに・・・。
訪れたアルバー・アールトの記念館のしおりの片隅に、その場でひらめいた照明器具のラフスケッチを発見した。北欧の光は独特だ。白くやわらかなマットな光だ。感覚が刺激を受けたのだろう。なかなか良いデザインだ。