こちらの写真は建築後13年目の板壁。当初、建物の西側にカラマツ林があったため、風雨や日射をある程度防いでくれていたためか、比較的良い状態だったと思います。
そして、24年目の姿。シルバーグレイの塗装はほとんど退色し、かなり濃くなっています。随分前にカラマツ林が伐採されて、風雨や紫外線の影響をより受けるようになったことも影響しているでしょう。
今まで外壁はノーメンテナンス。塗装の退色など気になる方もいると思いますが、機能面では今のところ問題はありません。お客さまには15年〜20年くらいで洗浄の上、再塗装すると良い状態がさらに長く保たれるとご案内はしています。
あまり神経質にはならずに、でも愛着を持ち気にかけてあげること、変化を受け入れることも大事です。
細田@PDO
建物に120度や135度といった角度をつけることを「への字プラン」と呼んでいます。
自然地形に馴染みやすく、高低差も読み込めば様々な環境に適応可能です。
敷地には常に移ろい一定でない「流れ」があります。
主に日照や風、水の流れです。
への字プランは水に対して合理的に対処できます。
地中を流れる伏流水や一時的な表流水を建物の背後で受け流し、
南面の庭を湿気のない快適なものにしてくれます。
写真は窓枠の断面部分です。
乾燥により木材に隙間が空かないよう、あるいはもし空いても壁の中が見えないよう、薄い板を挟んでしっかり固定するのですが、
角度があることで難易度の高い仕事になります。
また、基礎工事でも角度の確認作業をより入念に行う必要があります。
こういった技術的な裏付けにより「への字プラン」は実現しているのです。
ユニットバスと聞くとデザイン的に苦手意識がありました。
洗面との繋がりを出しにくく、非日常性に劣るイメージがあったからです。
しかし結局は設計次第。
ガラスドアや脇ガラスを選び、南向きの大きな窓を設けることで
非日常性が損なわれず洗面との繋がりも確保できます。
メンテナンス性が高いことはユニットバスの大きなメリットです。
肩湯やカラリ床といった機能も取り入れればより快適なものになるでしょう。
オーナーのこだわりやコストバランスに合わせて選択します。
先日、建築相談いただいているご夫妻に建築実績のご案内をしました。
築8年目を迎え、今は2代目オーナーが大事に暮らしている「A BOOKCAFE HOUSE」です。
かつてはたくさんの本が収められていた本棚は、植物好きの新オーナーのセンスで観葉植物やこだわりの雑貨が飾られて温かみのある空間を演出しています。
「慌ただしくあちこちを巡るような旅行に行くのではなく、こういう温かみや命を感じるような家で普通に暮らしていくことがほんとうの豊かさじゃないかな。」
実績案内のあと、ぶどう栽培やワインの醸造に日々向き合っているご主人がしみじみ語られていたのがとても印象的でした。
「フルートの窓辺のある家」を訪れました。完成から10年の歳月が流れ、木部は全体的に経年変化で濃くなり、漆喰の壁とのコントラストが美しいです。
調湿効果のある漆喰の効果もあるのか、凛とした雰囲気が空間に漂っています。
窓辺には譜面が置かれていますが、数人でこの空間で演奏されることもあるようです。10年が経ち、あらためてオーナーが望んでいた空間ができあがっていることを嬉しく感じました。